カンパニュラの詩｜高梨／ミセスの手ほどき 池袋店

「私、好きな人の前ではコミュ障みたいになる」

そう言っていた人がいた。

私も実はそうで、好きな人の前では見栄をはってしまう。そして良く見せようとして、本来ではない自分になってしまう。

お金がないのにある素振りをしたり、大丈夫じゃないのに大丈夫と言ってしまう。そういうときに、女性らしさをみせずに男性的になってしまう。いわゆる格好付けてしまうのだ。

昔、そんな私を好きになってくれた人がいた。でもそれは本来の私ではなくて取り繕った私。立ち居振舞いや、言葉遣い、ツンとした態度をしていれば、まあいわゆるそれなりに見える。そんな私を好きだと言ってくれた人がいたのだ。

私はいい年なのになんの経験もない、ただ言われたことをやるだけの人間、いっちょ前に見栄だけははれる、もしかしたら男性よりも見栄っ張りかもしれない。

コミュ障になってしまうと言っていた方も、大好きな人と付き合えて、デート代工面のために自分を犠牲にしていた。とても健気な人だった。

本来、自分をさらけ出せるほうが楽な付き合いができるのかもしれない。でも大好きだからこそ、嫌われたくない。もしかしたら自分に自信がないから、嫌われるのを恐れているのかもしれない。相手が自分に届かない存在であるほど、眩しい存在であるほど、自分の全てをさらけ出すのは難しくなってくる。

とくにそれが年下なら、年上として手本になるようにしなくてはならない。だからみっともない姿は見せられないし本当の自分以上の姿を見てほしいと思ってしまう。

自分らしさってなんだろね。

素直が一番だよと言われたけど

それが最近よくわからないんだ