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ソープで遊ぶ人なら誰もが知っている、しかし如何に風俗好きでもソープに行かない人は知らない、という不思議なツールのひとつに「スケベ椅子」と呼ばれている特殊な椅子があります。ほぼどこのソープにでも置かれている、といっても過言ではないこの「スケベ椅子」、いったいいつからソープにあるのでしょうか。
独特の形状の椅子
そもそも「スケベ椅子」とはなんなのか。ご存じない方のために解説しますと、風呂場用のプラスチックの椅子に、ちょっと工夫を凝らした一品になります。ちょうど座って尻があたる部分の中心が、手を通せる程度に窪んでいる、または椅子の中心部10センチ程度が開口していて、人が座った状態で下から「手で股間を下から触ることができる」という特徴を持っています。まさに「サービスをするための椅子」ともいえるのですが、現在はどこのソープにでもあって、定番のグッズのひとつとなっています。スケベ椅子の進化系として「くぐり椅子」というものもありますが、こちらは手どころか、頭が入るくらいの空間を作った特殊な椅子で、ソープでの使用を考えてさらに改善を進めた「スケベ椅子」です。 さらにはその先に進化してしまったという「ゴールドチェア」や「ピンクチェア」なるプロフェッショナルな椅子も存在していて、こちらは岐阜の金津園を中心に今も使われています。
滋賀県説と大森海岸説がある
この「スケベ椅子」、どれくらいの時期から存在しているのでしょうか。結論としては、「正確な記録は残っていない」というところですが、とはいえそのルーツには諸説あり、「滋賀プラスチックスという会社の創業者である西四辻公堯という人物が開発した」という話の他に、「東京都品川区の大森海岸にあったソープランド(歌麿)の店長が開発した」という話も存在しています。前者の会社は、滋賀の有名ソープ街である雄琴のスチームバスのほとんどを手掛けていたという、知る人ぞ知る有名な会社だったそうです。いずれも相当昔の逸話なのですが、「スケベ椅子」が日本で開発されたらしいこと、それから昭和の、しかも最初のほうの時代に考案されたことは、まず間違いなさそうです。ちなみに滋賀プラスチックという会社も、大森海岸のソープも、既に廃業して存在していないようなのですが、「スケベ椅子」の方はその用途をソープ以外にも広げていて、今ではなんと介護用品としても重宝されているようで、AMAZONでも「介護用椅子」という名称で、どう見ても「スケベ椅子」なモノが堂々と売られています。著作権や特許が気になってしまうくらいの普及度合いを見せているスケベ椅子は、実は意外なルーツと歴史を持っていた、ということです。
文|つかもとまさし
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